「伝統・文化」の指導は、小学校では昭和43年版の学習指導要領から言われるようになってきました。それを受けて、43年版学習指導要領のために作られた『指導書』には、浮世絵を取り上げた授業プランが示されました。この『指導書』の作成に携わった高橋貞夫氏(世田谷区内の小学校校長でご退職)によれば、それを書いたのは古川清行氏だそうです。
こう見てくると、「伝統・文化」の学習が言われるようになってもう50年にもなるのですが、社会科教育の研究者の取り組みは、まだまだ少ないように思われます。中村哲氏が「和文化教育」を掲げ、その薫陶を受けた方たちが社会科伝統・文化学習の授業プランを盛んに開発されていたのは10年くらい前のことでしょうか。それ以降、目立った動きはありません。
ここには、どうしたら、社会の仕組みを知ることと結びつけた、しかも伝統・文化の担い手を生み出すことのできる社会科伝統・文化学習を生み出そうと苦闘中の論文を載せてあります。