シチズンシップの教科書（英国）にあるメディア学習を分析したもの。学会誌原稿のための下書きとなったものである。

本論は、英国の教科書T h i s i s Citizenship １ におけるメディア単元の構成 がどのようなものかを明らかにしようとしたものである。英国ではシチ ズンシップという教科の誕生以前に「メディ ア学習」が存在し、「メディア学習」コースあ るいは English という教科のなかでカリキュ ラム開発や授業開発が行われてきた。こうし たものとシチズンシップ科における「メディ ア学習」とを比較することによって、シチズ ンシップという教科における学習内容の独自 性が具体的に析出されてくるであろうという見込みのもとに教科書分析を行った。これによって、社会科メディア関連学習改善の手がかりを掴もうとしたのである 。

中学校社会科歴史授業の開発：「明治政府のメディア対策」　というサブタイトルを持つこの論文は、次のようなねらいをもったものである：本論は、メディア史の成果を取り入れた社会科歴史学習を提唱しようとするものである。これは二つのことを意味する。一つは従来 のメディア学習を見直し、これに新しい視点で新たな学習領域を付加することである。今一つは、歴史学習の教材として従来とりあげられることの少なかった新聞などメディアを それとしてとりあげることである。